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地域循環型リユースが選ばれる理由

2025.12.29

まだ使えるモノを「捨てずに地域で循環させる」という考え方が全国で広がっています。これが今注目されている「地域循環型リユース」という取り組みです。
リサイクルショップやフリマアプリが普及した現在でも、地域の中でモノを循環させる仕組みには大きな価値があります。
環境負荷の低減だけでなく、地域経済にもプラスの効果があることから「地域の未来を支える新しい資源循環モデル」として多くの自治体や企業が関心を寄せています。

今回は、暮らしの中で意外と知られていないリユースのしくみや地域循環が選ばれる理由を豆知識とともに紹介します。

そもそも「地域循環型リユース」って何?

身近な“資源”を地域の中で回す仕組み

地域循環型リユースとは、家庭や企業で不要になったモノを地域内で回収し、再利用や再販売を行う仕組みのことです。
地域外へ搬出せずに循環させることで輸送コストやCO₂排出を抑えられるだけでなく、地域にお金と価値が残るというメリットがあります。

モノの“移動距離”は実は環境負荷に直結する

モノが廃棄物として処理される場合、運搬距離が長いほどエネルギー負荷が大きくなります。
例えば一般廃棄物は平均で数十キロ以上移動するといわれていますが、地域循環型リユースならその距離が数キロ程度に収まるケースが多く、環境メリットが大きくなります。

なぜ今、地域循環が選ばれているの?

・廃棄コストの上昇が進んでいるから

近年、全国的に廃棄物処理費が上昇しています。
燃料費や人件費の増加に加え、処理施設の老朽化や容量不足などが背景にあります。

このため「まだ使えるモノは捨てずに価値として戻す」というリユースの需要が急速に高まっています。

・新品より“環境負荷の少ない選択”が評価されているから

新品製造には多くの資源とエネルギーが必要です。
例えば家電1台を製造する際には輸送も含めて数十キロのCO₂が発生します。一方でリユース品は製造工程が不要なため、新品に比べて圧倒的に環境負荷が小さくなります。

この差が「サステナブルな選択」として評価される理由です。

・地域経済に“お金が循環する”から

地域で回収し地域の店舗で再販売すれば、売上や雇用といった経済効果が地域に還元されます。
地域循環型リユースは環境対策であると同時に、地域活性化の取り組みとして注目されているのです。

地域循環型リユースで何が変わる?

不用品が“地域の資源”になる

これまで「ゴミ」として扱われていたモノが、地域内では「資源」として活かされるようになります。家具・家電・雑貨などは修理やクリーニングによって再び価値を持つため、捨てられるはずだったモノの寿命が大きく延びます。

モノの価値が“見える化”される

リユース市場が整うと、地域の中に「価値の再発見ポイント」が増えます。
査定サービスや回収拠点が整備されることで、気軽に価値判断ができるようになり「捨てる前に相談する」という文化が生まれます。

脱炭素にもつながる

地域でモノを循環させることは輸送削減によるCO₂カットにつながります。特に大型家具や家電のように重量のあるモノは輸送時のエネルギー負荷が大きいため、地域内循環の環境メリットは非常に高いとされています。

まとめ

地域循環型リユースが選ばれる理由は、環境負荷を軽減できるだけでなく、地域に価値と経済効果が戻るという“二重のメリット”があるためです。
モノを長く大切に使う文化が生まれるだけでなく、地域の暮らしを支える持続可能な仕組みとして広がりつつあります。
まだ使えるモノを捨てる前に「地域で循環できるか」を考えることが、これからの新しいスタンダードになっていくでしょう。

また、地域内のつながりが強くなることで、暮らしに寄り添ったサービスやサポートも生まれやすくなります。身近な一歩が、地域の未来をより良くする大きな力につながります。

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