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「ガソリンスタンドはこの先どうなるの?」
「EVや水素ステーションが増えたら、ガソリンスタンドはなくなるの?」
そんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか?
近年、EV(電気自動車)や水素自動車の普及が進み、ガソリンスタンドの役割が大きく変わろうとしています。 一方で、日本全国のガソリンスタンドの数は年々減少しており、「ガソリンを入れる場所がなくなるのでは?」という不安の声も聞かれます。
とはいえ、完全にガソリン車がなくなるわけではありません。では、ガソリンスタンドは今後どう変化し、EVや水素と共存するのか? 「次世代エネルギースタンド」 という新たな形に進化していくのか?
この記事では、ガソリンスタンドの最新トレンド、EV充電や水素ステーションとの共存戦略、未来のビジネスモデルまで徹底解説します!
ガソリンスタンドの未来はどうなる?EV・水素と共存する時代へ

近年、ガソリンスタンド業界は大きな転換期を迎えています。ガソリン車の減少とともに、EV(電気自動車)や水素自動車の普及が進み、従来の「ガソリンを給油するだけの場所」から「多様なエネルギーを供給する拠点」へと変化しつつあります。
実際に、EV充電ステーションの併設や水素ステーションとの統合を進める動きが加速しています。今後、ガソリンスタンドはどのように進化し、EVや水素と共存していくのか、その未来を探っていきましょう。
ガソリンスタンドは減少傾向?業界の現状と今後の課題
ガソリンスタンドの数は年々減少しています。1995年には全国に約6万カ所あったガソリンスタンドは、2023年には約2.8万カ所まで減少。この背景には、エコカーの普及、人口減少、採算悪化といった要因があります。特に地方では「ガソリンスタンド過疎地」が問題となっており、燃料を確保するために長距離移動を強いられるケースも増えています。
政府や業界もこの課題に対応すべく、ガソリンスタンドの多機能化を推進。EV充電や水素供給を組み合わせた次世代エネルギースタンドの整備が進められています。しかし、インフラ整備のコストや採算性の問題もあり、一気に普及するのは難しいのが現状です。
ガソリンスタンド減少の主な理由
・エコカーの普及:燃費向上によりガソリンの消費量が減少
・人口減少・地方の過疎化:利用者の減少により採算が取れない
・規制の強化:安全基準の厳格化に伴い、設備投資が負担に
・燃料価格の変動:原油価格の高騰により経営が不安定に
このような課題を抱えつつも、ガソリンスタンドはEVや水素との共存を目指し、次のステップへと進んでいます。
EV充電ステーションとガソリンスタンドの共存は可能か?

ガソリンスタンドとEV充電ステーションの共存は、いまや業界の大きなテーマとなっています。背景には、EV(電気自動車)の急速な普及があります。国の補助制度や環境意識の高まりを受けて、EVの新車販売比率は年々上昇中。それに伴い、「充電インフラの整備」が最近の課題になっています。
ここで注目されているのが、既存のガソリンスタンドへのEV充電設備の導入。ガソリンスタンドはすでに土地、インフラ、人材が整っているため、新たに場所を確保するよりも効率的です。実際、ENEOSや出光興産など大手企業はEV対応に積極的に動き出しており、一部では急速充電器の導入が進んでいます。
一方で、ガソリン給油とEV充電では滞在時間が大きく異なります。EVは数十分〜数時間かかる場合があるため、待機時間を有効に使える付加サービスの提供(カフェ、Wi-Fi、簡易ワーキングスペースなど)が求められています。
つまり、共存は可能ですが、「給油所」から「多目的エネルギー&サービス拠点」へと進化する必要があるのです。
EV充電スポットの増加!現状と今後の展望
EVの普及には、充電インフラの整備が不可欠です。日本国内では、急速充電器の設置数が2024年時点で約9,000カ所を突破し、ゆるやかながらも増加傾向にあります。高速道路のSA・PA、道の駅、商業施設、そしてガソリンスタンドがその主要な設置場所です。
とはいえ、都市部と地方での格差は依然として大きく、地方では「EV充電難民」状態も。そこで政府は、2030年までに全国で15万口の充電器設置を目標に掲げ、インフラ整備に補助金を用意しています。
今後、ガソリンスタンドがEV充電スポットの「ハブ」になれば、都市部だけでなく地方においてもEV普及が一気に進む可能性があります。
ガソリンスタンドがEV充電設備を導入するメリット・デメリット
ガソリンスタンドがEV充電器を導入するメリットは大きく3つあります。
1つ目は、新たな顧客層の獲得です。EVユーザーは待ち時間が発生するため、店舗内での購買機会も増えます。2つ目は、自治体や国の補助金を活用した初期コストの軽減。3つ目は、企業としての環境配慮アピールによりブランドイメージの向上が見込まれます。
一方で、デメリットも無視できません。最大の課題は導入コストと回収までの期間の長さです。急速充電器の設置には数百万円単位の費用がかかる場合もあり、導入後すぐに収益化できるとは限りません。また、EVの充電には時間がかかるため、ガソリンスタンド本来の「回転率」を下げてしまう可能性もあります。
導入するなら「客単価アップを狙ったサービス開発」とセットで考える必要がありそうです。
EV充電設備の導入メリット
・EVユーザーを新たな顧客として取り込める
・国や自治体の補助金で初期投資を軽減できる
・環境対応型企業としてのブランド力向上
EV充電設備の導入デメリット
・初期導入費が高額(数百万円規模)
・回転率が低下し、運用効率が落ちる可能性
・収益化には時間がかかるため短期的には赤字のリスクも
水素ステーションは普及する?ガソリンスタンドとの関係

EVと並び、次世代のエネルギーとして注目されるのが水素燃料です。特に燃料電池車(FCV)は、充填時間が短く航続距離も長いため、長距離移動が多い商用車や公共交通機関への導入が進んでいます。しかし、水素ステーションの数はまだ少なく、全国で約180カ所(2024年時点)。EVの充電スポットに比べると圧倒的に少ないのが現状です。
ガソリンスタンドと水素ステーションの融合は、技術的・安全面的にハードルがあるものの、将来的には共存する可能性が高いとされています。すでにENEOSや出光興産などの大手企業は、一部のガソリンスタンドに水素供給設備を併設する取り組みを始めています。政府も「水素社会」の実現に向けてインフラ整備を推進しており、今後の普及が期待されます。
では、実際の水素ステーションの普及状況と、ガソリンスタンドとの関係について詳しく見ていきましょう。
水素ステーションの普及率と増加の見込み
水素ステーションの普及は、まだ発展途上にあります。2024年時点で国内の水素ステーション数は約180カ所。政府は2030年までに1,000カ所へ増やす目標を掲げていますが、インフラ整備には高額なコストがかかるため、普及スピードは緩やかです。
現時点では都市部を中心に設置が進められており、地方ではほとんど普及していません。EV充電と同様に、地方への普及にはガソリンスタンド併設型の水素ステーションがカギを握ると考えられています。
水素ステーションの数が増えれば、FCVの普及も進み、ガソリン・EV・水素が共存する未来が現実のものとなるでしょう。
水素ステーション併設は儲かる?コストと採算性の問題
ガソリンスタンドが水素ステーションを併設することには、大きなメリットがあります。政府の補助金を活用できるため、初期投資を抑えながら新たな収益源を確保できます。また、水素燃料はEVと異なり、充填時間が短いため、回転率を維持しやすいのも利点のひとつです。
しかし、課題も少なくありません。水素ステーションの設置には数億円規模のコストがかかる場合があり、採算を取るまでに時間がかかります。また、水素の供給コストも高く、価格競争力を持たせるにはさらなる技術革新が必要です。
水素ステーション併設のメリット
・政府の補助金を活用できる(設置・運営コストの一部を負担)
・充填時間が短く、回転率を維持しやすい
・次世代エネルギーとしてのブランド価値向上
水素ステーション併設のデメリット
・設置コストが高額(1カ所あたり数億円規模)
・採算が取れるまでに時間がかかる
・地方では需要が少なく、収益化が難しい
政府の支援策と技術革新が進めば、ガソリンスタンドと水素ステーションの共存が現実的になっていくでしょう。
EV vs 水素…どっちが主流になるのか?

次世代のクルマ社会をけん引するのは「EV(電気自動車)」か、それとも「水素(燃料電池車=FCV)」か――この問いは今、世界中で議論されています。日本ではEVが先行して普及しており、特に都市部では急速充電器の設置も進んでいます。一方で、水素車はインフラの整備が遅れているものの、商用車や長距離移動を必要とする用途では圧倒的に有利な性能を持っています。
両者には一長一短があり、「どちらが優れている」という単純な比較ではなく、利用シーンや地域性に応じて適材適所で使い分けるという見方が強まっています。たとえば、都市部の一般ユーザーにはEV、物流やバスなどの長距離用途には水素車といった棲み分けが現実的です。
このような中で、ガソリンスタンドがどちらにも対応できる体制を整えることが、生き残りの鍵となっているのです。
EVと水素の比較!それぞれの強みと弱点
EVと水素には、それぞれ異なる特徴があります。EVは充電インフラが比較的安価で整備しやすく、個人所有の小型車に向いています。電力インフラを活用できるため導入がしやすく、維持費も安価です。
一方、水素車(FCV)は走行距離が長く、充填時間が3~5分程度と短いため、トラックやバスなどの商用利用に適しています。さらに、水素を活用した再エネの貯蔵技術も注目されており、エネルギーのバックアップ源としても期待されています。
どちらが主流になるかは、「どんな人が」「どこで」「何に使うか」で大きく変わります。
今後は、どちらか一方に偏るのではなく、両立と棲み分けが前提の時代になっていきそうです。
海外のガソリンスタンドはどう変わっている?世界の最新事例
世界に目を向けると、ガソリンスタンドはすでに「エネルギーステーション」へと進化しつつあります。欧州では、ガソリンの販売を減らし、EV充電や再生可能エネルギーと組み合わせたビジネスモデルが主流になりつつあります。特にノルウェーやオランダでは、電動化が急速に進んでおり、新設のスタンドはEV対応が前提という流れになっています。
アメリカでは、大手チェーンが水素ステーションやEV急速充電器を併設し、店舗内にカフェやコワーキングスペースを導入する例も。さらに、中国では都市再開発と連動して、モール型の複合エネルギー施設が出現しています。
これらの事例は、日本のガソリンスタンド業界が進むべき道を示しているとも言えるでしょう。
海外で進む次世代ガソリンスタンドの事例
・ノルウェー:EV普及率世界一、既存スタンドのEV化が加速
・アメリカ(カリフォルニア):水素・EV両対応型ステーションが主流に
・中国(北京・上海):商業施設併設型の複合スタンドが普及
・ドイツ:水素ステーション整備に国家予算を投入し本格化中
ガソリンスタンドの生き残り戦略!次世代エネルギースタンドへ

これからのガソリンスタンドに求められるのは「燃料を売る場」からの脱却です。EVや水素といった多様なエネルギーの供給だけでなく、地域密着型のサービス拠点としての役割が強くなっています。
具体的には、EV充電・水素供給・ガソリン給油をワンストップで提供する複合型スタンド(エネルギースタンド)の実現がカギとなります。これにより、車種を問わずユーザーを受け入れられる柔軟性を持つだけでなく、エネルギー転換期の混乱を乗り越える安定した収益基盤を確保することができます。
さらに、カーシェアや洗車サービス、簡易整備、コンビニ併設など、日常生活に溶け込むサービスの提供が、ガソリンスタンドの新たな価値として注目されています。
今後、エネルギーの多様化に対応しつつ、地域との共生を目指す「次世代スタンド」こそが、生き残る鍵を握る存在となるでしょう。
エネルギースタンド化で生き残る?ガソリン×EV×水素の融合戦略
ガソリンスタンドの未来像として最も注目されているのが、「マルチエネルギースタンド」への進化です。これは、ガソリン・EV・水素といった異なるエネルギー供給を1カ所で完結できる施設のこと。ユーザーは車種を選ばず、必要なエネルギーを柔軟に選べるようになります。
この仕組みが普及すれば、スタンド側も顧客の取りこぼしを防ぎつつ、幅広い収益モデルを築けます。加えて、再生可能エネルギーや蓄電システムを取り入れた「自己完結型エネルギー拠点」としての展開も可能です。これにより、環境負荷を減らしながら地域インフラとしても活躍できるのです。
エネルギースタンド化によるメリット
・ガソリン・EV・水素を一括対応で機会損失を防止
・エネルギー転換期でも柔軟に事業を継続できる
・地域に密着したインフラ拠点として存在感を強化
未来のガソリンスタンドはこうなる?今後のビジネスモデル予想

これからのガソリンスタンドは、単なる給油所ではなく、「モビリティ×ライフスタイル」の融合施設へと変貌していきます。
たとえば、EV充電の待ち時間を快適に過ごせるように、カフェ・コンビニ・コワーキングスペースを併設。長距離運転中のドライバーにとっても、安心して休憩できる空間を提供します。また、アプリと連動して予約制の充電スポットや、ドライブスルー型の整備・点検サービスなど、新しいUX(ユーザー体験)の提供も進んでいます。
さらに、再生可能エネルギーを活用してスタンド自体が電力供給基地となる「発電型スタンド」も登場。エネルギーを自給自足し、災害時には地域の非常用電源としても機能するモデルです。
未来型スタンドのビジネスモデル例
・EV充電×カフェ×Wi-Fi:快適な待機時間を演出
・モバイル予約式充電器:混雑回避と効率化を実現
・自家発電&蓄電:再エネを活用したエコモデル
・地域連携型サービス:防災拠点・高齢者支援も兼ねる施設へ
まとめ:ガソリンスタンドの未来とEV・水素の共存戦略

これからのガソリンスタンドは、EV充電や水素供給と共存しながら進化する時代に突入しています。本記事では、その変化と対応策について詳しく解説しました。以下に要点をまとめます。
この記事のポイント
・ガソリンスタンドは減少傾向にあるが、エネルギー多様化で新たな役割が求められている
・ EV充電ステーションの普及が進み、ガソリンスタンド併設型の充電拠点が増加中
・水素ステーションの数はまだ少ないが、2030年までに大幅増加が予定されている
・EVと水素、それぞれの特性を活かした「棲み分け」が進んでいく
・海外ではエネルギースタンド化が進み、日本でも「マルチエネルギースタンド」が主流になりつつある
・ガソリンスタンドの生き残りには、EV・水素の対応だけでなく、新たなビジネスモデルの確立が必須
ガソリンスタンドは今後、ただの燃料供給拠点ではなく、「次世代エネルギーと暮らしを支える施設」へと進化していくでしょう。EV・水素時代に対応するスタンドが増えることで、ドライバーにとってもより便利で快適な未来が広がっていきます。