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SDGs

子どもにも教えたい食品ロスとSDGsの関係

2025.06.24

「食品ロスってなに?」
「なんで食べ物を捨てちゃいけないの?」
子どもにそんな質問をされたとき、うまく答えられますか?

私たちが普段、何気なく捨ててしまっている食べ物。その裏には、大きな環境問題や経済的損失、そして世界中の飢餓といった深刻な問題が潜んでいます。
でもそれを子どもに説明しようとすると、ちょっと難しく感じる方も多いのではないでしょうか?

実は「食品ロス」は、SDGs(持続可能な開発目標)と深く関わっていて、子どもたちが地球の未来を考えるきっかけにもなるテーマです。特に目標12「つくる責任、つかう責任」は、家庭でも学校でも日々の生活の中で意識できる重要な項目なのです。

この記事では、子どもにも理解できる言葉で「食品ロスとはなにか」「なぜSDGsとつながっているのか」をわかりやすく解説します。さらに、家庭や学校で親子・先生が一緒に取り組める具体例もたっぷりご紹介。

「難しくない」「身近にある」「すぐできる」食品ロス対策を通じて、子どもと一緒に未来について考えてみませんか?

食品ロスとは?子どもにわかりやすく教える方法

「まだ食べられるのに捨ててしまう食べ物」、これが食品ロスです。
子どもに伝えるときは、「もったいないの気持ち」とセットで教えるのがポイント。食べ物がどうやって作られて、どれだけの人の手を経て届くかを話すことで、「捨てるのはかわいそうだね」と自然に思えるようになります。
家庭では冷蔵庫の中を一緒に見て、「これは何日に使う?」「どうやって食べる?」と会話するだけでも、子どもは食品ロスを身近に感じるようになります。

食品ロスの意味を子どもにどう伝える?

「食品ロスってなに?」と聞かれたら、いきなり難しい言葉で説明せず、「食べられるごはんをゴミにしちゃうことだよ」とシンプルに伝えるのがコツです。
そのあとに、「たとえば、食べ残し、賞味期限切れで捨てた食べ物、作りすぎて冷蔵庫で腐らせちゃったおかず」など、子どもが経験したことがありそうな例を出しましょう。

「今日のお弁当、残さず食べられた?」「冷蔵庫の奥に残っていた野菜、どうしようか?」など、日常の中での会話をヒントにするのが効果的です。
子どもにとって“食品ロス”は教えられるものではなく、「気づく」もの。親や先生が一緒に体験を共有することで、自然に理解が深まっていきます。

食品ロスの具体例を身近な日常で紹介

食品ロスという言葉だけではピンとこない子どもも、実際の例を通すと一気に理解が進みます。特に、家の中や学校での出来事を振り返ると、「あ、これも食品ロスなんだ!」と気づいてくれるはず。

たとえば、以下のような身近な場面です。

子どもが体験しやすい食品ロスの例
・お弁当を残して捨てたとき
・苦手な野菜を食べずに残したとき
・買ったヨーグルトの賞味期限が切れていた
・冷蔵庫にあったおかずを放置して腐らせた
・バナナの皮がちょっと黒いだけで捨てた

こういった実例を通じて、「食べ物って大事にしないといけないんだね」と、子どもの中に少しずつ“もったいない心”が育っていきます。

食品ロスが起きる3つの理由を子ども向けに解説

食品ロスがなぜ起きるのか、子どもにもわかるように「理由」を3つに分けて教えてあげましょう。

まず1つ目は「作りすぎ」。
給食や家のご飯で、おかずが多すぎて食べきれなかった経験、ありますよね?

2つ目は「買いすぎ」。
スーパーで安かったからと買った食材を冷蔵庫に入れっぱなしにして、気づいたら腐っていた……これもよくあるパターンです。

そして3つ目は「ちゃんと使わなかったこと」。
買ったけど何に使うかわからなくて放置、使い方を知らなくて捨てた、などですね。

こうした理由はすべて、「ちょっとした工夫」で防げるもの。
子どもには、「工夫すればごみが減らせる」という前向きな視点で伝えると、行動にもつながりやすくなります。

食品ロスとSDGsのつながりを子どもに伝えるには?

食品ロスの問題は、ただ「もったいない」だけではなく、地球規模の課題ともつながっています。その代表がSDGs。とくに目標12「つくる責任、つかう責任」は、食べ物を無駄にしないことと直結しています。

子どもに伝えるときは、「世界にはごはんが足りない子もいる」「食べ物を大事にすることが未来を守ること」と話すと、自分ごととして受け止めやすくなります。難しい言葉よりも、「自分にできること」を見つけるきっかけをつくることが大切です。

SDGsの目標12とは?子どもでも理解できる表現で

「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」とは、世界中の国が「地球と人の未来をよくするために決めた約束ごと」です。その中の目標12は「つくる責任、つかう責任」。

でも子どもにはこの表現、ちょっと難しいですよね。そこでこう伝えてみてください。

「ものを作る人は、必要な分だけ作ってむだを出さないように。使う人(わたしたち)は、ちゃんと使ってムダにしないように」
この約束が、目標12の考え方です。

食べ物に関しては「ごはんを作る人にも感謝して、食べきること」がとても大切。子どもが自分でお皿をきれいにできたとき、「それがSDGsなんだよ」と声をかけることで、「いいことをした実感」を得られ、学びが深まります。

食品ロスが地球環境に与える影響とは?

食品ロスは「食べ物のムダ」だけではなく、「地球のムダ」にもなってしまいます。

どういうことかというと、食べ物を作るには、畑で水を使ったり、機械を動かして電気やガソリンを使ったり、たくさんのエネルギーが必要です。その食べ物を捨てるときにも、ごみを燃やすためのエネルギーがかかります。

つまり、食べ物をムダにすると、水・電気・ガソリンなどもぜんぶムダになってしまうのです。

さらに、ごみを燃やすときに出る「二酸化炭素(CO₂)」は、地球温暖化の原因にも。子どもには「地球が暑くなっちゃうこと」と説明するとわかりやすいですね。

「残したごはん1杯が、地球にとってはすごく重たい」
そんなイメージを伝えることで、食品ロスがただの「家庭の問題」ではないと感じてもらえます。

食品ロスが貧困問題とつながる理由

「世界には、毎日おなかいっぱい食べられない子どもたちがいる」
この話を聞いたことがあるお子さんも多いでしょう。でもその一方で、たくさんの食べ物がムダに捨てられているという現実もあるのです。

この「食べ物がありすぎて捨てる国」と「足りなくて食べられない国」のギャップが、世界の貧困問題です。食品ロスを減らすことは、そんなギャップを少しずつ縮める行動のひとつ。

さらに、最近では「フードバンク」という仕組みがあり、食べきれない食品を困っている家庭へ届ける活動も行われています。
「食べ物を大切にする」ことは、「だれかの助けになる」ということ。子どもにとっては、自分の行動が誰かの役に立つという喜びにもつながります。

家庭でできる!子どもと一緒に食品ロス対策

食品ロスの削減は、特別なことをしなくても、実は毎日の生活の中で十分にできます。
しかも、親子で一緒に取り組むことで、子どもが自然に「もったいない」を感じられるようになるのです。

たとえば、冷蔵庫の中を一緒にチェックしたり、夕飯の献立を子どもと一緒に考えたり。ちょっとした工夫が、大きな学びになります。
ここでは、家庭でできるシンプルで続けやすい食品ロス対策を紹介していきます。

親子で取り組める食品ロス削減の行動リスト

子どもが自分から「もったいない」と言えるようになるには、まず“やってみること”が大切です。親子で一緒に取り組める食品ロス削減の行動は、意外と身近にたくさんあります。

たとえば、買い物の前に冷蔵庫をチェックすることも立派な行動。食べきれなかったおかずを翌日のアレンジに使ったり、食べ残しをゼロにするゲームのような食卓ルールを作るのも効果的です。

子どもと一緒に「楽しく」「簡単に」できることから始めましょう。無理せず少しずつ積み重ねることが、食品ロス削減の第一歩になります。

親子でできる食品ロス対策の例
・食材の「使い切りメニュー」を一緒に考える
・残り物でリメイク料理に挑戦する
・賞味期限の近い食品を探して優先的に使う
・食べられる量だけお皿によそう
・冷蔵庫を“見える化”して貼り紙で管理する

冷蔵庫チェックで食品ロスを防ぐ工夫とは

「冷蔵庫の奥から腐った野菜が出てきた…」そんな経験、ありませんか?
食品ロスの原因として多いのが、「冷蔵庫にあるのを忘れていた」というケースです。

これを防ぐには、冷蔵庫の中を“見える化”することが大切。たとえば、食材の置き場所を「使う順」に分けたり、賞味期限が近いものを手前にまとめる工夫が効果的です。

子どもと一緒に「冷蔵庫パトロール」を習慣にするのもおすすめ。
「これは何に使う?」「いつ食べる?」と会話しながらチェックすることで、自然と「捨てない意識」が芽生えていきます。

また、スマホで中身を写真に撮っておくのも、買いすぎを防ぐシンプルな方法のひとつです。

作りすぎ・食べ残しを減らすための親の工夫

「せっかく作ったのに、残されてしまった…」
そんなとき、ちょっと悲しい気持ちになりますよね。そしてそれが食品ロスにもつながります。

まずできる工夫は「作りすぎないこと」。家族の食べる量を意識しながら、ちょうどいい分量を心がけるだけでも、ムダは減ります。

また、子どもと一緒にメニューを決めると「これ食べたい!」という気持ちが強くなり、残すことが減る傾向もあります。

食べ残しが出てしまった場合でも、「次の日のお楽しみアレンジ」に変えればOK!
「全部食べきったらシール1枚」など、ゲーム感覚にしても◎。
大事なのは、怒るのではなく、工夫で楽しく乗り越えることです。

学校や地域での食品ロス対策と教育活動

食品ロスを減らす取り組みは、家庭だけでなく学校や地域でも広がっています。
子どもたちが日常の中で「食べ物を大切にする意識」を持てるよう、給食での工夫や、地域イベント、フードドライブなど、さまざまな実践が行われています。

こうした活動に子どもが関わることで、「自分の行動が社会の役に立つ」という実感を持ちやすくなります。ここでは、実際の事例や取り組み方法をご紹介します。

小学校・中学校での取り組み事例

最近では、食品ロスに対する意識を育てるための「食育活動」が、小中学校でも広く行われています。特に給食の時間は、「食べ物のありがたさ」「食べ残しのない食事」の実践の場として活用されており、教育効果が高いと評価されています。

例えば、「完食チャレンジデー」を設定して、クラス全員で残さず食べることを目指したり、残った食材の量をグラフにして、学年ごとに競う活動もあります。

また、総合学習の時間に「食品ロス新聞」を作成し、学校内や地域に配布することで、周囲への啓発活動に発展させている事例もあります。

学校で実際に行われている活動例
・給食の残菜量を減らす「完食チャレンジ」
・食品ロスをテーマにした新聞づくり
・フードバンクへの寄付体験学習
・地元スーパーと連携した「もったいないキャンペーン」
・「食育の日」の講演会や特別授業

フードドライブや地域イベントへの参加方法

「家庭で余っている食品を困っている人へ届ける」──それがフードドライブです。家庭の中で、未開封・賞味期限内の食品を集めて、地域の団体や施設を通じて支援が必要な人へ届けます。

最近では、地域の学校や公民館、スーパーなどでこの活動が行われており、子どもも一緒に参加することで「分け合う心」を育てるきっかけになります。

また、自治体主催のイベントでは、食品ロスをテーマにした「もったいない体験コーナー」や「リメイク料理体験」なども人気です。遊び感覚で楽しみながら、食品の大切さを実感できます。

子どもと参加できる地域の活動例
・フードドライブで家にある食品を持ち寄る
・食品ロス削減をテーマにした地元イベントに参加
・「食べきりリレー」などのクイズ大会
・マルシェでの規格外野菜販売のお手伝い
・地元農家の「食育体験ツアー」への参加

食品ロスを楽しく学べる本・アプリ・自由研究アイデア

「食品ロスって難しそう…」と思ってしまう子どもでも、楽しく学べる工夫があれば、自然と興味を持つようになります。
絵本や児童向けの読み物、親子で一緒に使えるアプリ、そして自由研究のテーマとしても食品ロスは最適。

ここでは、子どもの興味を引き出しながら、生活にも役立つ“学びのツール”をまとめてご紹介します。

子どもが楽しく学べる食品ロスの絵本・読み物

子どもに食品ロスを教えるなら、言葉より「物語」のほうが伝わることもあります。
絵本や児童書の中には、食品ロスの大切さを伝える作品がたくさんあります。読み聞かせや寝る前の読書時間に取り入れると、自然な形で“もったいない”を感じられるようになります。

とくに実在するキャラクターや、おばけ・どうぶつが登場するお話は、小さな子どもにも受け入れられやすいです。

おすすめの本
・『もったいないばあさん』/真珠まりこ
・『おいしいごはんができるまで』/彦坂有紀
・『あきらめないで食べものたち』/農文協
・『もったいないってなんだろう?』/講談社学習まんが
・『ごみゼロはじめて絵本』/くもん出版

食品ロス対策に使えるおすすめアプリ3選

食品ロスを身近に感じられるよう、親子で使えるアプリも人気です。
食材の管理、期限チェック、フードシェアリングなど、日々の生活で使える実用的なものばかり。
スマホに入れておくだけで「うっかり捨ててしまう」ことが防げます。

以下は、食品ロス削減に役立つ代表的なアプリ3つです。

アプリ名特徴対象年齢無料/有料
トクバイ賞味期限が近い食品の情報をお得に入手小学生~無料
食品ロス削減ノート食品ごとの保存期限を記録し通知してくれる小学生~無料
TABETE飲食店の余剰食品を安く購入して食べられる中学生~一部有料

どのアプリも親子で一緒に使える内容なので、楽しみながら食品ロス対策を実践できます。

食品ロスをテーマにした自由研究のアイデア例

自由研究のテーマに「食品ロス」を選ぶと、社会・科学・家庭科など幅広い観点で深掘りでき、夏休みの自由研究としても評価が高いです。

しかも、家庭で実践できる内容が多いため、親子で協力して進められるのもメリット。記録・写真・グラフを使えば、見た目もわかりやすく仕上がります。

おすすめの自由研究テーマ
・冷蔵庫の食品ロス調査と対策マップづくり
・自分の家で出た食品ロスを1週間記録して分析
・食品の保存方法と劣化の違いを比較する実験
・期限切れ食品は本当に食べられないのか?比較観察
・フードバンク体験記や地元の活動レポート

日常とつながったテーマだからこそ、子どもも楽しみながら学べる自由研究になります。

子どもと学ぶ「食品ロスとSDGs」まとめ

今回の記事では、子どもにも教えたい食品ロスとSDGsの関係について、家庭や学校で活用できる具体例とともに紹介しました。

要点のまとめリスト
食品ロスとは何かを子どもにわかりやすく伝える方法
SDGsとの関係性を具体的に解説(特に目標12)
家庭でできる食品ロス削減行動を親子で実践
学校や地域での取り組み事例を紹介
絵本・アプリ・自由研究の活用法で楽しく学ぶ方法を提案

食品ロスの問題は、子どもにとっても決して他人事ではありません。
身近な食卓から「もったいない心」を育てることが、未来の地球を守る第一歩になります。

ぜひこの記事を参考に、ご家庭や学校で「食べ物の大切さ」を伝えるきっかけにしてくださいね。